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2011年 07月 27日
「シエスタ」。今年は節電に合わせて、日本でもシエスタ休暇がはじまっているそうですね。
さて、この「Siesta」。昨年millibar Galleryさんで開いた展覧会のようすを、 きょうされん「TOMO」の8月号にコラムを掲載いただいています。 少し長いですが、お時間ある方、どうぞ読んでやってくださいませ。 2.「絵を描くこと」 「アトリエ・ハピバール」と名前を一新し、ロゴマーク、ホームページなどデザインの仕事から始まったハピバールとの出会いは、やがて、絵画や陶芸を楽しむ「創作班」のモノづくりのサポートへと広がっていきました。 当初、アトリエの中で絵を描くことに対しては、正直よい意見ばかりではありませんでした。 「絵を描いていて、どうなるの?」「生産性がない。」といった厳しい声もありました。 「絵を描くこと」。これは、彼らの生活の中で欠かせないものです。なぜなら、彼らが絵描く画面には、その日の気持ちが現れている、ひとりひとりの“言葉“だからです。 彼らの大切な“言葉”を価値あるものとして伝えることは、サポートする私の役割だと考えました。 そのひとつの事例を、メンバー コウヘイさんの展覧会のようすでご紹介します。 創作班のメンバー、コウヘイさん。いつも物静かで伏せ目がち。賑やかに喋りかけてくる他のメンバーとは対照的で、こちらが話しかけることにも抵抗があるようでした。 そんな彼がこれまでアトリエで描きためていた絵を目にした時、普段の姿からは想像できないほどエネルギーに満ちた極彩色の画面と、紙の表面がモロモロになるまで力強く塗り込められた色の厚みに圧倒されました。そこには、多くを語らない彼の“気持ち”、心象風景が描かれていたからでした。 スタッフさんの話では、彼は毎回、画面にくいいるような勢いで描いていたと聞きました。 そんなコウヘイさんの「言葉」である美しい絵の数々は、6年間、日の目を見ることなく、アトリエの中で静かに眠っていたのでした。 ちょうどその頃、私は大阪市内のカフェギャラリー・millibarさんを訪ね、メンバーとコウヘイさんの絵を見て頂いていました。 「彼の絵を障害者アートとうたわずに、きちんと一人の作家として紹介したいですね。」と、オーナーの共感をいただき、彼の絵に光があたるチャンスがやってきました。 展覧会の企画を進める中で、ただ絵を見せるだけでなくハピバールの楽しさも伝えられたらと、開催までの約4ヶ月間、何度もギャラリーと打合せを重ねました。 そして、夏の終わりに開かれた展覧会は「Siesta シエスタ」。 スペイン語で昼寝を意味します。コウヘイさんがよく絵を描きながら昼寝をしていたことと、訪れた人たちに、ゆっくりとした時間を過ごしてもらいたい思いがコンセプトです。 会場には、コウヘイさんの鮮やかなペインティングがゆったりと並び、私も彼の絵をゆっくり眺められるようにと、大きな浮き輪のようなオブジェを添えました。またギャラリーからは、サングリアをソーダで割ったルビー色の「Siestaドリンク」も登場しました。ハピバールのクッキーも並び、会場はシエスタの名の通り、ゆっくりとくつろいで行かれる来場者の姿を、たくさん見ることができました。 10日間の展覧会。彼も会期中、何度か会場に足を運びました。 「コウヘイさん、ステキな絵ですね。」と声をかけられ、会場にたたずむ彼は、作家「山出航平」として輝いていました。 そんな彼が、展覧会のDMに使われた絵の前で、ピタリと立ち止まりました。 「おやっ?」と思った瞬間、彼が絵に向かってほんの一瞬だけ微笑みました。今までに見たことのないような笑顔で。「よかったね。」その微笑みは、彼が絵に向かって語りかけているようでした。その場に居合わせた私は、涙があふれそうになりました。 展示を終えたその後、彼の目には生き生きとしたエネルギーが宿り、「今日は何するん?」と、自分から話しかけてくれるようになりました。 「僕の言葉を聞いてもらえた。」そんな安堵感のようなものが、彼の中に芽生えたのかもしれません。 「絵を描くこと」は生きること。同じ創造の世界に携わる一人として、私は強くそう感じます。「いい色だね。」「楽しい画面だね。」共感を得ることで自分の存在を確認し、喜びとなって、新しい創作のエネルギーへと向かうのです。 そんな風通しのよいエネルギーをまといながら、アトリエ・ハピバールでは、今日も創作がつづきます。 (次号へつづく) ※展覧会の様子はハピバールのホームページからご覧いただけます。 読んでいただき、ありがとうございました!
by monomono_diary
| 2011-07-27 11:05
| アトリエHapiBar
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